【コラム】マイケル・ポーター教授の『競争の戦略』に学ぶブログにおける戦略選択

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もう今年も残り僅かとなりました。

先月にツイッターで「Blog Lovers Advent Calendar 2015」というものを知り、僕がみたときはまだ空きがたくさんあったので、軽い気持ちでエントリーしたら、すぐに満員になっていてびっくりしたのと、軽くプレッシャーがかかりました。

Blog Lovers Advent Calendar 2015


せっかくなので、カレンダーの両隣のブログを紹介しますね。

12月14日


なぜブログを書くのか?6つのヒューマンニーズからチェック!!【企画】#BlogLovers2015
ジェイズライフ(@hayahira01)さん

6つのニューマン・ニーズについて語っていました。
東京の食べ歩きがメインのグルメブログです。おいしそうなものを食べていますね。

12月16日


ダレデキブログ(@diyakinaito1)さん
男と女について語るみたいです。

僕は「内容は未定ですが、2015年の総括になるようなものを予定しています。」と予告していたので、なんとなく今年購入したものでよかったものを、まとめようかなと思っていたのですが、わりかし他の参加者の皆さんが「ブログ論」みたいなものを語っているので、それにあやかって僕もそんなことを書こうと思います。

ブログ論を書いてこなかった理由。


「SPOT NOTE BLOG」では実は意識をして「ブログ論」というのでしょうか、「WordPress」、「SEO」、「収益」といったブログそのものを主題にした記事を書かないようにしていました。
というのも、それらの記事は将来のブロガーと現在のブロガーが対象であることや、ブログが世の中にあることが前提のブログ、例えて言うならば「本の書き方を書いた本」という構造、手段の目的化がなんとなく嫌だったからです(それらの記事を読んだりブログをあれこれ工夫するのは好きです)。

そして論を展開するというのは、少なからず自身の考え方の根幹が露呈するというのも敬遠していた理由でもあります。
このブログは複数名で運営しているノンジャンルブログなのですが、基本的にはそれぞれのライターが体験したことを記事にするということを大きなテーマにしています。
対象を限定していないノンジャンルブログで、思想や主義を主張するのは、メリットよりデメリットが大きいと考えています。

ぼんやりと考えていたことを書き上げたのでよくわからない文章になってしまいましたが「ブログ論」を今まで書いてこなかったのは、そんな理由になっています。

何を書くか。


「ブログ論」を今回書こうと思って決意したものの、内容にかなり迷っていまして公開日まで全然手をつけられませんでした。
悩んだ挙句、あくまで自身の論を展開するのはまだ抵抗がありますので、とある有名な経営理論を読んでいたときに「これはブログ運営に通じるものがあるかも・・・」と感じましたのでそれについて語りたいと思います。

競争の戦略




取り扱うのはマイケル・ポーターの『競争の戦略』です。
世界で二番目に売れている、そして翻訳されている書籍です。

マイケル・ポーター


マイケル・ポーター

ミシガン州アナーバーにて生まれ、上級軍人である父親と共に世界各地を渡り歩いて育った。1969年にプリンストン大学航空宇宙機械工学科を卒業。高校時代にはアメリカンフットボールと野球で州代表に、大学時代にはゴルフで全米代表(NCAA)チームに選ばれるなど運動能力も抜群だった。
1971年、ハーバード大学にて経営学修士号(Master of Business Administration)を取得した。1973年には、同大学大学院にて経済学博士号(Ph.D. in Business Economics)を取得した。1982年には同学史上最年少の正教授となる。


天才ですね。はい。

『競争の戦略』概論


マイケル・E・ポーター氏が1980年に上梓した経営学の書籍名、あるいはそこで展開された画期的な経営論を指す。アメリカで刊行されると、有名企業の経営者の間でベストセラーとなり、多くの経営学(MBA)コースで定番の教科書に採用される。


時代背景としてまだ経営理論の構築が学問体系として確立されていなかった時代に、多くの経営者が求めていたアンサーを提供しました。
小難しいことがたくさん書いてあるのですが今回取り上げるのは「3つの基本戦略」です。
ちょっと経営の話が続きますが、結果的にブログの話になりますので、しばしおつきあいください。

3つの基本戦略


一言でいうと「競争優位を構築するための3つの基本形」です。
経営をする上でこれをやれば優位になる!っていう基本形をポーターは提供しました。

①コスト・リーダーシップ戦略
②差別化戦略
③集中戦略


この3つの戦略が経営の基本形だそうです。
優位な経営を行っている企業はこの戦略を行っているのです。
具体的には後ほど説明します。

しかし、この3つの戦略はすべてを行うことができないトレードオフの関係というのも注意したいところです。

経営アルゴリズムより引用
経営アルゴリズムより引用


ポーターは3つの戦略は1つを選択することで優位性が生まれることを主張しました。上の図を見るとわかりやすいです。
わかりやすく3つの戦略をそれぞれ説明していきます。

①コスト・リーダーシップ戦略


企業が事業規模を拡大することにより実現される規模の経済性と経験効果により、競合他社よりも低コストの地位を確保しようとする戦略


つまり、市場で生き残るためには安く売ればいいという戦略です。
いまなんてとくにインターネットで1円でも安いお店でポチったりしますよね。

低価格実現のための規模の経済性の追求が市場のシェアを獲得し、競合他社よりも経験曲線上を進行、そして原材料等の大量調達のコスト改善、さらに高いシェアの獲得というサイクルにのるための戦略ですね。

具体的な企業でいうと「ユニクロ」「サイゼリヤ」なんていうとわかりやすいと思います。
たしかに「安いから」という理由で利用する企業ですよね。

消費者の立場からすると、この戦略をとる企業の製品の価格は消費者が決めている、という意識があるなんていうことも言えますよね、

②差別化戦略


顧客が重要視する要素において競合他社に比較して、意味のある特徴を築くことにより、他社よりも高い付加価値を提供し、高い価格を実現する戦略


こちらは、素晴らしい製品・サービスを提供することによる需要の獲得、価格決定の主導権の確保をする戦略です。
たしかに、素晴らしい製品・サービスに対してはお金を使うことを厭わないですよね。

ブランドイメージや、技術、デザイン、顧客サービスなどによる差別化によりその企業にしかできない特徴を消費者に売る戦略です。
これはブランド企業なんていう企業が当てはまりますよね。
先ほどの例に対比すると「ドン・キホーテ」「スターバックス」なんていうと納得できませんか?

あくまで、これらの企業は価格決定を企業側が行っていることにもなんとなく実感があると思います。
自動販売機の缶コーヒーが10円値上がりすると、購入に悩むかもしれませんが、スターバックスのコーヒーの10円の値上げは「しょうがないか・・・」と感じる人が多いと思います。

③集中戦略


戦略のターゲットの幅を狭めることにより、経営資源を集中させ、特定セグメントにおける限定的な競争優位を構築することを目的とした戦略


特定のターゲットを対象にしぼることで効果的で効率のいい競争の展開をする戦略です。
限りあるヒト、カネ、モノという資源の選択と集中を行うわけですね。

こちらは個人商店というわけではなく、例をあげると「しまむら」だったり「片岡物産」します。
「しまむら」は主婦層にターゲットをしぼって事業展開をしているのですが、たしかに僕はいったことがないです。
ターゲットをしぼることで、特定のターゲットに特化した資源の使いかたができるわけですね。

「片岡物産」は贈答用のコーヒーを作っている企業ですが、こちらも飲食系の例をあげるために調べてはじめて知った企業で、おなじく対象にない僕はこちらから調べるまで知りもしなかった企業なのですが、しっかりと利益をあげているわけです。

ブログにおける戦略


簡単にまとめましたが、どうでしょうか?
この3つの戦略の説明をふまえるとたしかに、戦略は一つしか選べませんよね。

そしてこの話は、なんとなくブログにも当てはまりませんか?

僕は優位性をもったブログはこの「3つの基本戦略」に通じる戦略を選択していると考えます。
それではブログにおける「3つの基本戦略」を具体例を交えて説明します。

①コスト・リーダーシップ戦略


「コスト・リーダーシップ戦略」をブログに当てはめると、「全範囲のジャンルの内容についてたくさんの記事を書き続ける」という戦略に当たると思います。
例えば、「[N]ネタフル」さんなんかがそうだと思います。

経営における低価格実現はブログでいうと「情報の迅速性」「無意識的なユーザーの獲得」だと思います。
「無意識的なユーザーの獲得」は、自発的な検索をしないユーザーの確保のことです。
「[N]ネタフル」さんは毎日の膨大な更新によって、多くのユーザーを対象にし、それが拡散されることによって、さらに多くのユーザーを獲得することができていると思います。

「まとめサイト」なんかもこれに当てはまると思います。

②差別化戦略


「差別化戦略」をブログに当てはめると、「扱う内容は普遍的だが、内容に特色がある」という戦略に当たると思います。
いわゆる内容より、文章がおもしろい(とがっている)ブログですね。
炎上ブログもこれに当たります。

とくにブログは書いている人の魅力次第で、多くのフォローワーがつくという構造がありますので、この戦略をとっているブログは多くあると思います。
例えば、「OZPAの表4」さんや、「ラブグアバ」さんなどが当たると思います。はてなブログでいうと「今日はヒトデ祭りだぞ!」さんなんて典型的ですよね。

いろいろな内容を扱うけど、その人の書き方で差別化をはかっているわけですね。
個人的に娯楽として読むブログかなと感じます。
「コスト・リーダーシップ戦略」型ブログは情報収集のために読むブログでしょうか。

③集中戦略


「集中戦略」はブログでいうと「ジャンル特化型」戦略と「ブロガー特化型」戦略に当たります。
「ジャンル特化型」はひとつのジャンルに特化して詳しく記事を更新するブログです。アフィリエイトがうまくいくブログはこの戦略を選択していることが多いですね。
「ブロガー特化型」は独特な進化を遂げ、対象ユーザーが限られたブロガーが運営するブログです。

「ジャンル特化型」の例でいうと、「AppBank」さんや「Touch Lab」さんが挙げられますね。この二つのブログはAppBankさんは「差別化戦略」に寄っていて、Touch Labさん「コスト・リーダーシップ戦略」に寄っているのもおもしろいですね。

「ブロガー特化型」は「まだ東京で消耗してるの?」さんなんかがあがるのではないでしょうか。
イケダハヤトさんはブログをやるまでまったく知らなかった人ですが、ブログ界隈では有名人みたいですね。

まとめ


ポーターは様々な企業の事例から「3つの基本戦略」を理論化しましたが、ブログにも当てはまりますね。
ここで問題になるのは、企業経営において戦略は一つしかとることができないということです。
ブログも同じで、あくまで人にみてもらうことや、収益性をあげることが目的であるならば、自身のブログがどの戦略をとっているのかを認識して、その戦略に特化するのがいいと思います。

ノンジャンルブログならたくさん更新するか、ブロガーの魅力を出すのが大切ですね。このバランスなんかも考えてみるとおもしろいかもしれません。
ジャンル特化型ブログであれば、内容をいかに他のブログより詳細にまとめるかでしょうか。

「SPOT NOTE BLOG」はノンジャンルブログで、更新もたくさんしているので今の所は、「コスト・リーダーシップ戦略」型ブログを目指していこうと思いました。

皆さんのブログはどの戦略を選択していますか?


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