【映画】火星に取り残されてしまった男、ジャガイモを育てる「オデッセイ」

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

去年から気になっていた「オデッセイ」を観に行ってきました。
事前情報はなるべくカットしたので、火星に男が一人で過ごすという情報以外初心で観れました。
こういう映画はネタバレみるとつまらなくなりますからね。

オデッセイ

ここ最近話題の火星への片道旅行の募集のように、ちょっとおかしな人物が、一人で火星に出発して過ごす物語かと思ったら、取り残される話でした。
取り残されてしまった男マークがいろいろ工夫して生き残るすべを考える序章と、地球と通信できるようになり、離れた仲間が彼を助けるため奮闘していく流れがとってもよかったです。
物語がしっかり流れていく感じでしょうか。ストレスなくスーッと映画に集中できました。うまくマークの孤独や不安、そして奮闘と感情移入しやすい作品でしたね。

あらすじ


宇宙飛行士のマーク・ワトニーは火星への有人探査計画の機体であるアレス3に、クルーとして参加する。

火星での探査任務中、大砂嵐に襲われたマークらクルーは、全ミッションを放棄して火星からの退避を決めてロケットへ向かうが、その最中にマークを折れたアンテナが直撃する。クルーたちはマークが死んだと判断して火星上の軌道へ戻り、さらに地球上の軌道へ帰還するためのヘルメス号に乗って出発してしまう。

ところが、マークは生存しており、火星に一人取り残されてしまったことを知り、残されたわずかな物資を使って生き延びようとする。
しかし、地球から救助隊がすぐに来る見込みはない。


火星でジャガイモを育てる


一人残されてしまったマークは、悲しみにくれるというより生き残る術を考え始めます。
この辺は宇宙飛行士の精神力といったところでしょうか。自分だったらゾッとして死ぬことを考えそうです。

幸い、植物学者であるマークは知識をいかして、ジャガイモを育てる作戦をたてます。
この辺りはマークの工夫がとっても楽しいパートです。
水のない火星で、ジャガイモを育てるために燃料から水をつくるシーンはギャグもありつつ感心してしまいました。
科学版無人島ものっていう感じで、男としてはワクワクしっ放しでしたね。

マークも船長が残したディスコミュージックに悪態をつきつつ楽しんでいました。
実際、ジャガイモさえ育てて生き残れば計画されている次期宇宙船を待ち生き残れますからね。
最悪の最悪でないシチュエーションくらいだったので、ほのぼの農業パートはおもしろおかしく観れました。
これが、火星に一生ひとりみたいな設定だったらまた話が変わってきますしね。
いい塩梅の設定だと思います。

とはいえ次のミッションである、アレス4が到着するまでの4年間を生きのびようとする状況も最悪といえば最悪でしょうが・・・

その後以前の火星探査機を使って地球と通信できたシーンには感動してしまいました。
やっぱり孤独からの解放ってなにかくるものがありますよね。

地球ではNASAの思惑もありつつわりとみんなが一致団結で彼を助けようとするよう動いているのものよかったですね。
長官はなかなか保身に走っていましたが、お約束レベルなのでそっちにイライラしたりしませんでした。
なるべく火星でのマークに集中できる話の展開がよかったですね。

マッドデイモンもとってもはまり役だと思いました。
マッドデイモンってこう不安をかかえた男が奮闘する役が本当にうまいと思います。

火星に食料を送ろう


NASAもマークが生き残るために補給を送る計画を急ピッチで進めます。
マークのジャガイモも順調で、補給がくる日までよりジャガイモで食いつなげる日数のほうが長いほどです。
しかし、急ぎすぎたせいもあり、NASAのロケットが爆発してしまいます。
また、火星の与圧室が爆発して、ジャガイモがフリーズドライに・・・

いろいろアクシデントが発生しました。
さすがにマークも悪態をつきます。
なんとか穴が空いたところをシートとダクトテープで補強して、補給を待ちます。
割れたヘルメットもダクトテープで補強したりと、ダクトテープ優秀すぎます。

また、アイテムとしてところどころでGoProが使われてるのもおもしろかったです。
近未来なはずなのにGoProは現代と見た目は変わらず、ダクトテープはいつまでも現役みたいな映画の中の時代錯誤感ももたいいですね。



しかし、補強したとしても壁がシートの状況で与圧された空間で宇宙服をよくマークは脱げますよね。
そのシーンがとっても風が強くシートがバサバサいっていたので、破れるんじゃないかとハラハラしました。

NASAも絶望の中、中国がなんと協力してくれて中国のロケットで補給を宇宙にあげることはできるようになりました。
しかし、やはり火星までの日数はかかってしまう。
ここで、地球帰還中のアレス3のクルーが乗るヘルメス号を地球の重力を利用して火星にもう一度いき、マークを救出する作戦も出てきます。
しかし、アレス3がそのミッション中にダメになる可能性もあるので、長官は許可しません。

極秘通信で、ヘルメス号はこの計画を知り、彼らは決断します。
マークを助けに行くことを。

このシーンもとってもよかったです。
マークを置き去りにしてしまった船長たちの自責の念から、ではなく一人の仲間を助けに行くという気持ちから彼らが生き生きとしていく様子はとっても感動しました。
アメリカンな展開で、ベタ中のベタですがいいですよね。こういうの。

火星から脱出しよう


火星のマークはヘルメス号が助けに来てくれることを知り歓喜。
しかし、マークは火星で待つわけではなく、火星からロケットで宇宙に脱出してヘルメス号に乗り込むのです。

とりあえずアレス4用にすでに送り込まれていた、MAV地点までローバーで移動します。
NASAの英知を結成させ、ローバーを長距離移動仕様に改造。
ここでもダクトテープとシートを使います。
ローバーの天井に穴を開けてシートを風船上にしてはっつけて移動していきます。

ここからは脱出劇なので、どちらかというと火星の広大さを魅せるようなシーンがたくさんあって美しかったです。
ローバーを充電するために、太陽パネルを広げ仮眠。
夜になれば、満点の星空のもと移動というのが、砂漠の旅みたいでした。

NASA側がマークを火星から打ち上げる作戦として提示したのは、脱出ポットの軽量化。
なんと、壁と天井も捨てて、シートで覆うだけの仕様に。
気がついたときには宇宙空間だし、大気圏突入はしないからシートで十分らしいです。

無事ヘルメス号も火星に近づき、いよいよ脱出シーン。
ハリボテになったMAVに乗り込みます。
宇宙服に着替えるシーンではジャガイモでなんとか生き繋いだため痩せこけた肉体が映し出されます。
火星での生活がいかにひもじかったかを物語ってますね。
ローバーで最後のジャガイモを楽しみ、メッセージを書き残します。

発射シーンは、やっぱりワクワクしますね。
やっと音声でクルーとも会話ができて、冗談を言い合います。
このシーンもいいですよね。

そして発射。
世界中も見守ります。
とっても臨場感があってこっちも肩がこわばります。
マークは12Gを体験し気を失ってしまいますが、あっという間に宇宙空間。

マークはネジの破片がヘルメットにぶつかる音で気がつきます。
しかしヘルメス号とマークの位置が思ったより遠く、マークがこのまま宇宙空間に放り出される懸念が・・・
マークは手袋をはずして、空気の勢いでヘルメス号に近づくことを提案。
アイアンマンになれるみたいな冗談もいれつつの緊張感。
こういうハラハラ感はやっぱり映画の醍醐味。

それは絶対ダメとマークに伝え、ヘルメス号もいらないエリアを爆発させ空気の噴出で、マークに近づくことに。
キッチンにあるもので爆弾をつくったりと最後まで創意工夫がある映画です。
爆発をさせても、マークまでの距離が遠いです。
船長はロープを最大限に伸ばし、マークを待ち構えます。

そこで、なんとマークが手袋を話してアイアンマンに。
なんとか船長に近づいていきます。
このシーンは「ゼロ・グラビティ」思い出しますね。
今回はしっかり成功。

正直この展開に関してば絶対マーク助かるんだろうなと思っていたので、わかりきった展開ですが、やっぱりいいもんです。
少し後日談があって映画は終わりでした。

オデッセイというタイトル


原題はもともと「MARTIAN」。火星人という意味ですが、「火星の人」という原作そのままということですね。
日本では「オデッセイ」というタイトルでなんでかなと思って調べてみました。

オデッセイ(Odyssey)とはギリシアの叙事詩のことで、単語の意味は「長い冒険旅行」です。
叙事詩の内容はこちら。

オデュッセイア〖Odysseia〗
ホメロスの作と伝えられる長編叙事詩。トロイ戦争から凱旋の帰途難破し、一〇年の漂流生活ののち帰国したオデュッセウスが、留守中妻に言い寄った男たちを皆殺しにする物語。オデッセー。
大辞林 第三版


留守中妻に言い寄った男たちを皆殺しは置いておくと、今回の作品のストーリー展開と同じなんですよね。
なかなか映画は原題のままがいいと思うのですが、今回の邦題は非常に良い出来だと思います。

まとめ


火星に取り残されてしまった男マークと、NASA、そしてクルーのパートがほどよくあり、序章のジャガイモを育てるほのぼの火星農業物語から、脱出計画に移っていくストーリー展開もとっても素直で、なかなか映画の世界に十分に入り込める作品でした。

またマークは一人のパートが多いので、淡々とした映像になりすぎないために、退屈にならないための小ネタが散りばめられているのもいいですね。
何度も笑いそうになりました。最近映画をけっこう観ているので、映画によくある、ちょっとした皮肉や悪態に対する抵抗がなくなってきましたね。

今回は3Dで観たのですが、序盤の火星風景の3Dが強すぎて、ミニチュアにみえてしまいました。
映画の内容とは関係ありませんが、若干残念。
火星の山は地球と比べ物にならない大きさなので、そんな広大さも実感したかったです。
内容としては科学的考証もしっかりされているので、作品にリアルを感じました。

最近の宇宙モノは「ゼロ・グラビティ」「オデッセイ」みたいな宇宙で孤独になってしまい、生き残るために奮闘系が流行っていますよね。
隕石モノも好きですが、こういうリアルさがある宇宙モノもとっても楽しいので、これから増えていくといいなと思います。



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