【映画】ディカプリオの迫真の演技と風景の映像美にリアルを感じる「レヴェナント:蘇えりし者」

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ついに悲願のアカデミー主演男優賞を獲得したディカプリオの「レヴェナント:蘇えりし者」を観てきました。
この映画は非常に前から楽しみにしていた映画です。

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上映時間は3時間弱と長丁場でしたが、とても濃厚で鑑賞中に何度もハッとさせられるようなシーンがたくさんありました。
観た後も少し放心状態に・・・

あらすじ


1823年、西部開拓時代のアメリカ北西部、極寒の荒野の中、狩猟をして毛皮を採取するハンターチームはネイティブアメリカンの一団に襲われ多大な犠牲にあいながら命からがら船で川を下る。
チームのひとり、ヒュー・グラスはネイティブアメリカンの妻との間にできた息子、ホークとともにガイドとして同行していた。
船を捨て山越えルートを選んだチームは森で野営する。翌早朝、グラスは見回り中に子連れの熊に襲われ、瀕死の重傷を負う。急ごしらえの担架でグラスを運ぶが山越えには足手まといであること、瀕死でもあることから、隊長のアンドリュー・ヘンリーが死ぬまで見届け埋葬する者を募ると、ホークとジョン・フィッツジェラルド、若いジム・ブリッジャーが残ることになった。
ジョンは2人がいない時にグラスを殺そうとするところをホークに見つかり銃を向けられるが、返り討ちにし殺してしまう。ジョンはジムを騙しグラスに軽く土をかけただけでその場を離れる。
一部始終を見ていたが動けないグラスは奇跡的に一命をとりとめ、折れた足を引きずり這いながらジョンを追う。(Wikipediaより)


レオナルド・ディカプリオの迫真の演技


登場人物が少ないというのもありますが、本当に主人公グラスを演じるレオナルド・ディカプリオが一人演技をしていて他の出演者は背景というのでしょうか、悪い意味ではなく彼を引き立てる役に徹していた気がします。
それだけこの作品はグラスの心象風景を描いている作品だったと言える気がします。

心象風景を描いていたというのは比喩でもなんでもなく、実際に劇中でグラスの心の中、妄想、夢が違和感のない切り替わりで挿入されています。
映画全体として美しい風景、自然の中でのシーンが続きますので、彼の夢のなかなのか現実なのか境目が曖昧になり、それがまた復讐者であるグラスの心をすごく表している気がしました。

ベジタリアンのディカプリオが生肉を食べたり、馬の身体に寒さをしのぐために入ったり、川で流されたり・・・
作中本当にチープな言い方をするならばツイていない彼ですが、観ている者からすればもう諦めて死んだほうが楽になるのではと思わせるほど。

しかし彼は最愛の息子、すべてである息子を殺されたことに対する復讐にのみよって行動するのです。
ラストで実際に手を下さず、天に運命を任せましたが、この部分の考察もおもしろいですよね。

グラスも土壇場で復讐をしなかったのは、過去に妻と一族を殺され復讐しても妻やその時の状況が悪夢として蘇ってくるので、復讐は彼の心を蝕んでいたことに気がつきやめたのでしょうか。

やはり彼の亡き妻の夢が終盤までは彼を苦しめるものだったのに対して、最後は彼の元を離れるような描写がありましたので、復讐から解放された彼に安堵したということなのでしょうか。

登場人物たちのそれぞれの思惑


この作品は、登場人物が少なく、それぞれの感情や思惑、それに至るまでのバックグラウンドも会話から想像させてくれます。
グラスを裏切り、息子を殺したフィッツジェラルドもグラスの妻の原住民に頭の皮を剥がれたというトラウマがあります。
隊長もグラスを気遣いながらも、金でなんとか収めようとするところもあったり、誰が正義か誰が悪かとは一概には言えないですね。
それぞれ個々の人間が、欲望や心の中のトラウマがあり、作品の人間関係と物語が構築されている気がしました。

作中でよく神というキーワードが出てきますが、それぞれの登場人物たちは行動の贖罪と正当化のために神という言葉を出していたのかもしれません。

しかしグラスは復讐を復讐ととらえ、自分には息子がすべてであったことのみによって再生します。
自身の復讐に対して、それは自分自身の息子への愛のみによって行動していると自覚しています。
そこが他の登場人物との違う点でもあるのかもしれません。

美しい風景の映像美


実はこの映画はとても美しい風景が全編通して写っているのですが、シネマトラグラファーのエマニュエル・ルベツキによって完全に自然光のみによって撮影されました。
そのため一眼レフで撮影したかのような、ちょうどいい光の具合でして、個人的には今まで観た中で一番映像が美しいと感じました。

セリフがほとんどなく、基本的にはグラスが一人というシーンが多いので、グラスとグラスがいる自然を最大限美しく撮影することで観る者に臨場感を与えてくれます。

特に日の出の薄い明かりや、夜の星々の輝き、森林の中の瑞々しさが本当に美しいので映像にも注目すると映画がとっても楽しめると思います。

まとめ


なかなかまとまらない文章を書いてしまいましたが、「レヴェナント」の魅力はレオナルド・ディカプリオの迫真の演技と映像美そして、復讐とは何かを考えさせられるところじゃないでしょうか。
それだけ言葉に語るには難しいそほどの衝撃をこの作品から受け取りました。

これはアカデミー賞を総なめするのも納得です。

本当にグラスが瀕死の状態から何度も日を過ごし、少しずつ再生していく様子には映画ではなく、リアルなドキュメンタリーを観ているようでした。
先ほども書いたグラスが寒さを凌ぐため馬の身体に入り翌朝出るところが、母親から産まれるところを想起させ、完全に復讐者としてグラスが再生したことの描写に感じました。

個人的には渡辺謙の「許されざる者」と物語と映像が似ている気がしました。
「レヴェナント:蘇えりし者」を気に入ったら「許されざる者」も気にいると思いますよ。


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