【映画】リアルな現実描写に一滴のSF、現実VS虚構というフレーズがふさわしい『シン・ゴジラ』

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久しぶりに映画の感想を。
最近は『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』や『アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅』を鑑賞しました。
そして8月一発目は楽しみにしていた『シン・ゴジラ』を久しぶりの4DXで鑑賞してきました。

シン・ゴジラ

あらすじ



東京湾・羽田沖—。
突如、東京湾アクアトンネルが巨大な轟音とともに大量の浸水に巻き込まれ、崩落する原因不明の事故が発生した。

首相官邸では総理大臣以下、閣僚が参集されて緊急会議が開かれ、「崩落の原因は地震や海底火山」という意見が大勢を占める中、内閣官房副長官・矢口蘭堂(長谷川博己)だけが、海中に棲む巨大生物による可能性を指摘。内閣総理大臣補佐官の赤坂秀樹(竹野内豊)をはじめ、周囲は矢口の意見を一笑に付すものの、直後、海上に巨大不明生物の姿が露わになった。

慌てふためく政府関係者が情報収集に追われる中、謎の巨大不明生物は鎌倉に上陸。普段と何も変わらない生活を送っていた人々の前に突然現れ、次々と街を破壊し、止まること無く進んでいく。

政府は緊急対策本部を設置し、自衛隊に防衛出動命令を発動。さらに米国国務省からは、女性エージェントのカヨコ・アン・パタースン(石原さとみ)が派遣されるなど、未曽有の脅威に対し、日本のみならず世界もその行方を注視し始める。

そして、川崎市街にて、“ゴジラ”と名付けられたその巨大不明生物と、自衛隊との一大決戦の火蓋がついに切られた。
果たして、人智を遥かに凌駕する完全生物・ゴジラに対し、人間に為す術はあるのか?
東宝WEB SITEより)


とにかく、現実感のある映画でした。
ゴジラというSFが現実の日本に来た場合のシミュレーションのような映画でしたね。

日本の政治や、国民性、国際社会での立ち位置など普段から私たちの頭の片隅にあるそういったものがあらわになるような気持ちになりました。
とはいえ、映画の中で押し付けがましい政治観や主義主張はありませんので、とってもバランスがいいかなと思いました。

よく制作側の伝えたいことがエゴのように放出される映画もありますが、『シン・ゴジラ』はいい意味で客観的な映画だったのかも。
私がそう感じただけで、実際は違うかもしれませんが、ゴジラが日本にきたらという庵野秀明の思考実験を見せつけられた感じですね。
思考実験なので、そこに主義主張はないのかななんて思いました。

ひとつだけ主義主張を感じたところはラストシーンですね。
ゴジラの尻尾に人間の骸骨がとけたようなものがくっついているシーンで終わるのですが、そこはぞくっときました。
今まではあくまで状況などを淡々とすすめていく感じで、いい意味でも悪い意味でも鑑賞者は客観的な立場にあれたのですが、最後のシーンはなにか伝わって来るものがありましたね。

おそらくいろんな方それぞれが最後のシーンの受け取り方をすると思うので、私が思ったことは割愛させていただきます。

堅苦しい話ではじまりましたが、とにかく特撮、SF、ミリタリー、ドキュメンタリーに興味がある方ならすごく楽しめる映画ですよ。

リアルなゴジラという想定


とにかく劇中唯一の虚構がゴジラなわけですので、ゴジラの設定やビジュアルなどは矛盾のないようにつくられている気がしました。
有識者たちがゴジラを想定していく描写もなんだかリアルです。

ちゃんとゴジラをみるのははじめてだったので、いままでのゴジラがどうなのかはわかりませんが、第一次形態、第二次形態と形を変えていくのはなかなかいい設定だと思いました。
最初の形態はゴジラっぽくなかったので、これはゴジラの敵なのかななんて思っていましたので、東京へずんずんはってきて、知っているゴジラの姿に進化したときは衝撃的でしたね。

またゴジラの攻撃はそういう意味ではやりすぎ感あるんじゃないかなと、思えるほど激しいビームでしたが、単純に映像がすごかったですね。
夜の戦闘シーンで、炎を吐いて東京を焼き尽くしたかと思ったら、その炎が紫色のビームになるところはそうくるか!と思いました。
背中からビームをたくさんだすのも恐ろしかったです。

ちょっと宮崎駿の巨神兵や、ウルトラマンを彷彿させるようなイメージです。
とくに夜の焼けた東京でゴジラがそびえ立つシーンはナウシカの火の七日間でしたね。

リアルな描写のせいか、動きが遅いので子どもは退屈だったかもしれません。

ゴジラが出てきて戸惑う日本政府


日本政府の描かれ方は本当にあるある感がありましたね。
緊急時にも関わらずまったく、積極的な案が出てこなかったり、結局尽力しているのは現場だったり。
まぁこの印象づけは後半の新しい政府が奮闘することへの布石なのかもしれませんが。

東日本大震災や安保の問題など現実に当てはめても思うことがあるような描写がたくさんあって、考えらせられますね。
ただし先ほども言いましたが、そこに一方的な政治的主義主張がないので、娯楽作品として楽しめますので、安心してください。

実際、前半の内閣たちが乗ったヘリコプターがゴジラビームにやられるところはちょっとかわいそうでした。

がんばる自衛隊


ゴジラに対して日本も自衛隊が出動して戦います。
この出動までの描写も政治側のあたりがすごくリアルな感じで良かったです。

出撃してからは本当にかっこいいだけですね。
慣れ親しんだ場所に自衛隊のヘリコプターやら戦車やらが出てくるのもなんだか興奮しましたし、攻撃がかっこよかったです。
この辺は完全にエヴァンゲリオンの描写でした。

でもエヴァンゲリオンと同じで自衛隊の攻撃はさっぱり効かないんですよね。
バンバン攻撃されてもすまし顔のゴジラは笑いました。

戦闘描写といえば、日本のアニメや映画では出撃時に無線の音声を重ねて流すのがかっこいいですよね。

後半はタイムリミットとの戦い


結局自衛隊の攻撃も米軍の攻撃もまったく意味がなく、最終的に国際会議で核爆弾を落とすことが決定。
そこがニューヨークだとしても攻撃をする、という主張がありましたがはたして本当でしょうかね。

核攻撃までタイムリミットがある中、主人公たちは凍結作戦を準備していきます。
後半になっても、世界が一致団結できず、様々な思惑がある中で物語が進んで行くのもリアルですよね。
そんなところは最近みた『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』とも違う点かも。

最後の攻撃がゴジラに液体を飲ませるというなんとも、映画にしてはしょぼい作戦ですが、これまたリアル。
どんなに見栄えがわるくてもそこに従事する人々の熱い想いなんかも感じることができます。

新幹線爆弾や在来線爆弾はなかなかおもしろいアイディアだなと思いました。

まとめ


やっぱり庵野秀明の趣味の映画ということもあって、楽しんで作ったものは、楽しい作品になるということがわかりました。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の巨神兵の特撮もとっても良かったですからね。

この映画を端的に表すと、ゴジラという虚構が現実に現れたらというシミュレーションを娯楽にしたというのがふさわしいのではないでしょうか。
そのため、いろいろな描写が淡々と流れるので、ドキュメンタリーを観ているような気持ちに前半はなりました。
後半はどちらかというと主人公たちの目線になるので、後半は感情移入しやすいと思います。

私は鎌倉出身で、高校時代から東京まで通っていたので、鎌倉にゴジラが出現するシーンはテンションあがりましたね。
防災放送も現実と同じでした。

その後武蔵小杉で自衛隊の攻撃があったり、ラストシーンは東京駅だったり、知ってる場所が出てくるっていうだけで感動しちゃいました。
なかなか洋画はアメリカの街やヨーロッパの街が壊れたりしますが、知っている場所でも、そこで生活しているわけでないので、なんだか客観的な気持ちになってしましますが、『シン・ゴジラ』は生活圏にゴジラが出てくるので、興奮してしまいました。

そんなところも日本の特撮の魅力なのかもしれませんね。

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