【映画】私が『スーサイド・スクワッド』を傑作とも駄作とも言い切れない理由

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

タイトル通り、『スーサイド・スクワッド』を傑作とも駄作とも言い切れない理由を、考えてみました。
漠然としたモヤモヤを無理矢理文字に書き起こしているので読みにくいったらないですが、一旦この感情を整理させたい。

suicide-squad

オリジナルを大事にしたい自分と、メディアミックス化での演出がドツボで大興奮する自分とで、壮絶な殴り合いが繰り広げられています。
いやぁ〜この複雑な気持ちはなんだろうって思ってたら、そういや『死刑執行中脱獄進行中』の舞台を観たあとも、こんな心境になったな・・・。

あらすじ


世界崩壊の危機に、政府は、服役中の悪党たちによる特殊部隊“スーサイド・スクワッド”を結成。
命令に背いたり、任務に失敗したら、自爆装置が作動する、まさにスーサイド(自殺)な状況の中、愛するジョーカーのことしか頭にないハーレイ・クインと、正義感も団結力もない寄せ集めの10人の悪党たちは、一体どんな戦いを魅せるのか?
公式サイトSTORYより)


スーサイド・スクワッド(2016年 アメリカ)


監督デヴィッド・エアー
出演者ウィル・スミス(デッドショット)
ジャレッド・レト(ジョーカー)
マーゴット・ロビー(ハーレイ・クイン)
ジョエル・キナマン(リック・フラッグ)
ビオラ・デイビス(アマンダ・ウォーラー)
ジャンルクライム映画







シカコ



以下ネタバレを含む感想です。





史上最強の“悪カワ”ヒロインと10人の悪党たち!


もうこの宣伝文句を目にした時から、私の心に修羅が宿った。

いや、分かる。分かるよ。マーゴット演じるハーレイ・クインの魅力を推していきたい気持ちはよぉ〜〜〜く分かる!
天真爛漫な笑顔を浮かべる少女のあどけなさとむちむちボディの女の妖艶さを、完璧な黄金比率で具現化したようなあのキャラクターはあまりにも魅力的すぎる。
私もマーゴットのハーレイ・クイン姿を見て、映画を観る決め手になったもん。めっちゃ可愛いよね、本当サイコー。

百歩譲って悪カワヒロインはいいとしても、10人の悪党たちってなにそれ。
なに愉快な仲間たちのノリで持ってきちゃってるの? それってあんまりじゃあないですか? これって10人の物語だったんじゃあないんですか??
そもそもハーレイもしっかりヒロインだったけど、どちらかといえばジューン博士がヒロイン・・・と見せかけてフラッグ大佐じゃあねーか!!! おい! またフラッグだ!!!!!
大佐を中心にメンバーが背中合わせにしているシーン、めちゃくちゃ格好良くて公開前から楽しみにしてたんですよ。
蓋を開けてみたら大佐が守られヒロインじゃねーか!! 可愛いかよチクショー!!!!
鑑賞前後でこんなにも印象が変わるシーンっていうのも初めてだよ。もう大佐が最強のヒロインだよ・・・。

目には目を、悪には悪を! そんな話が観たかったなぁ


公開前のマーケティングから若干不穏な空気を感じ取っていたんですが、本編もなかなか・・・なかなか、ね。
思わずこのもにょもにょと口ごもってしまう時点である程度は察してほしい。

仲間だと(勝手に)信じきっていたエンチャントレスが、まさかの敵側にまわる展開というどっきり。
「お、お前が敵かよ〜〜〜!」っていうある意味びっくり展開は嫌いではないです。
魔術がつかえるエンチャントレス相手に、ほとんど生身といってもいい決死部隊ではパワーバランスが・・・なんて思うのは無粋でしょうか。
序盤にあったジューン博士とエンチャントレスが入れ替わる演出のゾワッと感は素晴らしい◎

メンバーは全員、史上最悪の悪党・・・というわりには悪党のインパクトが弱かったのがちょっと不満。
もっと悪党を貫いてほしかったです。悪役の『人間としての良心の演出』は諸刃の剣だな・・・。
なんやかんやで良い人として描かれていたのでヴィランズではないし、ヒーローとも言えないどっち付かずなぼやけた印象になってしまったんだろうなぁ。
冒頭からアマンダが「どんな悪党でも弱みがある」と口にしているので、その辺りをテーマにしたかったのかもしれませんが。

別に弱みはあってもいいけど、そんなことで大人しく従うようなタマじゃあないでしょ?!
みんなもっと自由に、自己中心的に、独善的に好き勝手に暴れてよ〜〜〜!
世界なんか気にしなくていいよ、君達自身が世界の中心だって勢いで振り回してくれていいんだよ〜〜〜〜!!!!

首にナノ爆弾が埋め込まれて命を握られているとはいっても、反抗らしい反抗もないまま、なんやかんやで大人しく政府の言いなり。
しかも招集されて1日かそこらでそんなに意気投合する? いや、友情に時間は関係ないけどさぁ・・・。
時間は関係ないと思わせるほどのエピソードがあれば納得もできるんですが、そんな場面あった? っていう感じですし。
ディアブロやハーレイのメンバーを想った台詞もグッとくるはずなのに、チームメイトという絆を築く過程をすっ飛ばしての、その発言のせいで「あっ、そんな仲良しだったの? ふ、ふぅーん・・・」みたいな。軽く置いてけぼり喰らってる。

冒頭のアマンダによって簡単な紹介はありましたが、もっとキャラクター同士のコミュニケーションのなかで各々の性格や考えが伝わってくるような演出がほしかったかも。
人数が多くなるとメンバーの扱いに差が生じてしまうのは仕方がないとはいえ、スリップノットはもっとどうにかならなかったの!?!!
首に埋め込まれたナノ爆弾が本物である証人となってしまった彼の扱いが不憫すぎて泣けます。
ディアブロが爆発に巻き込まれて一瞬で退場っていうのも軽くトラウマ。

その点では本当にハーレイは演出がわりかし丁寧で、個人的には嬉しかったけど。
バーでの「背負いなさいよ」はジョーカーを失った直後の彼女に言わせると重みが増しますし、「ノーマルな暮らしなんてできない」と語る彼女がジョーカーとのノーマルな夫婦生活を望んでいるっていうのもイイです。
このハーレイの幻想のなかでのノーマルなジョーカー、というか普通のジャレッド・レトがめちゃくちゃかっこいい。

まぁ、あの映画一本でメンバー全員の魅力やキャラクターを演出するっていうのが難しい話ですよね。
人数が多すぎたんだ・・・。

ジョーカーとハーレイ・クインのために5回は映画館通った


最高。

私の脳みそが都合良く解釈してたんじゃあないかってほどラブラブなジョーカーとハーレイに我が目を疑った。
何度観てもラブラブだったし、相思相愛だった。なんだあれ。なんだあれ!!!! 最高。
コミックの二人はお互いをブスやら腐れ外道とか言うわ、金蹴りするわでもう殺伐とした関係なのに(そんな二人も大好きですが)。
映画のジョーカーがハーレイ・クイン大好きすぎてずっとニヤニヤしてました。ヒエェ〜〜サイコォ〜〜。

スーサイド・スクワッドのメンバーではないジョーカーがどうストーリーに絡んでくるのかと思っていたら、まさかハーレイを助けるためだけにずっと行動することになるとは。
もっと裏側で暗躍したり、事件を手引きしたりするのかなぁ〜と想像していたんですが、ガチであの人ハーレイしか見てなかったな!笑
ジャレッド演じるジョーカーの演技(特に嗤い声)がずば抜けていたので、そんなポジションにおさめてしまうのは非常にもったいない気がしました。
吹替版の子安氏の演技もなかなか良かったです! 遊んでいるような、不安定な抑揚の付け方がたまりません。
嗤い声はジャレッドのもののように聞こえたんですが、もし子安さんの演技だったらそっくりすぎて引くレベル。

廃液タンクへ落下したハーリーンを追いかけてジョーカーも飛び込んで行くシーンはめちゃくちゃ熱い。
ジョーカーのワインレッドのシャツと、ハーリーンの青いカッターシャツの色が溶け合う演出も美しいですね。
ハーレイのカラーリングが赤と青なのもイイ。いやぁ〜最高です。
ラストで『Bohemian Rhapsody』がブッツ切れて、武装兵士が収容所に乗り込んでくるシーンは、JOKERって胸元に記されてて、フルフェイスなのにバレバレな感じはちょっと残念でしたが(笑)

まとめ


BAD points


・キャラクター同士のコミュニケーションや見せ場の描写不足。
・悪党の〝人間的な良心〟にスポットをあてているので、悪党が好き勝手に暴れるストーリーを期待していると肩透かしを喰らう。


GOOD points


・キャラクター達のビジュアルクオリティは高い◎
・ハーレイとジョーカーのカップルがとにかく最高。ありがとうスタッフ。
・メインキャラを食い潰すほどのジャレッドの演技力(インパクトが強すぎて仇となっているのも否めない)。


駄作というにはキャラクターが魅力的ですし文句はないんですが、傑作というには脚本がちょっとお粗末だったかなぁ、と。
乱暴な表現ではありますが、キャラ萌え映画になってしまってる感が否めないですね。
とにかく悪党を貫いてほしかった!、の一言につきます。
いや、キャラクター達は本当好きなんだよ・・・好きだからもっと悪党だからこその見せ場がほしかった・・・

アマンダが一番の邪悪。間違いない。

悪党にも良心はあって仲間や恋人・家族を思い遣る気持ちがあるんだよっていう、ある意味ハートフルなストーリー展開は嫌いではないけれど、私が観たかったストーリーではなかった
(ビジュアル含めて)キャラクターが本当に輝いていただけに、その素材を活かしきれなかった脚本が本当に惜しい!
骨付きフライドチキンが食べたかったのに、骨なしチキンが出てきた時のような物足りなさ。
でもオマケでついてきたデザートがめちゃくちゃ美味しかったから、それはそれで大満足っていう心境です。

ハーレイとジョーカーのラブラブ映画としては最高花丸◎だけど、ヴィランズ映画としては物足りなさが勝ってしまうせいでなんともモヤモヤ感が生まれてしまう原因かなぁと思いました。

なんやかんや不満言ってるけど、はやく円盤発売してほしい。


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