今日はずいぶん前の本ですが、インターネットという概念についてわかりやすく解説してある良書、「ウェブは菩薩である」について書評を書いていきます。
今日の社会はインターネット、ウェブが社会を支えているといって過言ではないでしょう。
ウェブとは何か、今ウェブで生じている現象、そしてこれからウェブで実現されること、さらにウェブの進化が現実世界に及ぼす影響。
私たちが日々アクセスしているウェブ、しかしその本質は理解できていないのだろう。ウェブ2.0からウェブ3.0へ、人とウェブが歩み寄っていく社会の見取り図に「ネットは菩薩である」は丁度いいと思います。ウェブ2.0なんて言葉、昔にはやりましたね。
本書の構成は、ウェブを利用する上での「アーキテクシュチャ」という概念を説明し、そこから人がウェブから情報を得ることについて、その行動がウェブに、また自身にどう影響を与えているかを簡単に理解させてくれます。
1章から5章ではスタンドアローンのパソコンではフォルダ、ウェブではタグという概念で情報が整理されていることがよくわかります。
6章から10章では人がウェブに与える影響、自己をウェブに存在させることをAmazonやGoogleなどの例示とともに書かれている。最終章からエピローグではウェブが現実世界に及ぼす影響について言及されているのですが、とくにAmazon、Googleといった切っても切れない存在になったサービスがはらむ存在感、畏怖感の正体が少しはわかると思います。
10章からのウェブが現実世界にどう影響を与えるかの言及はとても興味深く、少し取り上げると、ウェブが誰しも情報開示できることによって無限に等しい情報を処理しなければならない億劫さの反面、既存の価値観を崩したと述べています。そして、既存のビジネスエリートカルチャーとまったく異なる、趣味性の高い活動に経済的価値が以前とは比べ物にならないほど生まれたとまとめています。
この辺はなんてことないものがお金に化けることをネットで目の当たりにしているでしょう。
ウェブの影響の一つとして多くの趣味性の高い活動に経済的価値が発生した。という概念は、これからの経済に大きな影響を与える、もう与えていると感じます。私たちの生活にべったりとスライムのようにくっつき、FacebookやTwitterなどのSNSが多くの利益を産み、個人の経済活動がし易くなる要因となったウェブは、今までの経済理論では説明がつかない部分を造り出していくのではないでしょうか?
どうでしょうか?堅苦しい内容になってしまいましたが、内容は楽しいのでぜひお手にとってみてはいかがでしょう。
それこそAmazonで中古で1円ですよ(笑)
コメントを残す